生きものと生態系 地球の仲間たち 草も木も昆虫も動物も、菌類も、鉱物も全ての存在が 集合、複合、相関して協力のネットワークをつくっています。それが生態系と呼ばれるものです。この虫だけは 邪魔だから消してしまっていいと根絶やしにすると別の虫が増えすぎたり意外な植物が枯れ始めたりします。生命力が旺盛で一人勝ちして他の種類を絶滅させてしまうかと思われた草が、ある時自滅して消えていく、自然界ではそのように、必ず変転するようになっています。全ての存在は 密接につながり 相関しています。 たとえば果物は 本来は人間ではなくて、動物たちの食べ物です。ですから農家では昔から、樹に実った果物は全部は収穫しないでこれは 鳥さんの分、などと言って、実りの一部をちゃんと残していました。生態系ネットワークのことを知っていたんですね。 自然界を観察すると、あらゆるものが相似象になっています。例えば川の本流、支流のかたちと樹や根の伸びていくかたちは、人間の血流(動脈や毛細血管)と相似になっています。微生物たちなど土中の環境は、人間の腸内環境と相似象になっています。私たち人間は、食べるということで身体をつくる素材を体内に取り入れて身体を保っています。どのような環境で、どのように育った作物を毎日採り入れているかは、身体とリンクしています。作物が育つ環境が自然本来の機能で正常に働いていることも大切です。 自然環境となると地球規模の大きな話になってきますのでほんの小さな畑だけではできない話のようにも思われるかもしれませんが、千里の道も一歩から、自分が今居る(いまい)ところで、自然の理に気づくたびに、小さなことでも今できるところからやっていこうとコツコツ取り組んでまいります。